人の本能

少し前まで「人は本能が壊れた動物である」という、そこかしこで見かける言葉を、よく考えずに信じていました。けれども、多くの動物種はそれぞれの種に固有の本能を持っているのを知るにつれ、人間の本能もそれとおなじこと、「人間には人間固有の本能の形がある」という、ただそれだけのことなのだとわかりました。「人は本能が壊れた動物である」というのは、あまりにも単純に人間と動物を比べてしまったために導き出された結論に過ぎないと考えます。
僕としては、これも現代の神話の1つじゃないのかと考えます。「人は本能が壊れた動物である」ということを言い始めたのは誰なのでしょうか? めちゃめちゃ昔から言われているんでしょうか? まあ、人間は理性をもっているから尊いというようなことを紀元前の人が言ってたそうですから、その系譜につらなるもののようには思いますが*1、はっきりと「人間は本能が壊れた動物である」、もしくはそれに類することを言った人は誰になるんでしょうか*2? まあ、暇があったらぼちぼち調べてみたいものです。

*1:本能は理性の対極のような扱いをされますから、「本能が壊れている」=「理性的」という風にもっていったとしておかしくないわけで、「理性ゆえに尊い」と「本能が壊れている」は似た意味を含む言葉とも考えられます。

*2:僕が名前を知る古い人の中ではフロイトがそんなことを言ってたそうですが、フロイトさんより前の人が言っていてもおかしくありません。フロイトさんが生きていた頃には当たり前のように言われていた言葉だったのかもしれませんしね。僕は知識が少なすぎて判断ができません。