別に機械でかまわない

■人間は機械であってよいとする思想
http://d.hatena.ne.jp/noharra/20070130#p4
……まあ、人間にとって人間は特別な存在ですから、機械とかにたとえられるのは、嫌な人も多いでしょう。ただ、人間は車やコンピュータよりはるかに複雑だけれども、別に特別な法則に従って在るわけじゃない。他の生物種と比べれば、非常に複雑なことを考えられたり、多彩な行動がとれるけれども、根っこの部分は変わらない。
近年の自然科学の成果は人間が特別なものであるという幻想をとことんまではぎ取ってきました。その傾向は今後強まりこそすれ、弱まることはないでしょう。
「人間は機械であってよいとする思想」とありますが、「あってよい」とかそんな話じゃなくて、人間は超がいくつもつくような複雑さを持ち合わせていますが、機械です。ですから、人間を機械に例えること自体は、おかしな発言だとは思いません。
ただ、そういう例えを嫌う人が多いのも確かだと思うわけで、客商売の最たるものたる政治家が不用意にいっていい言葉じゃないとは思います。さらに、柳沢大臣の発言がまずいのは、人間が持つ機能の一つだけをとりあげ、他を無視したこと*1です*2。われら男性も単なる種馬扱いで人格を無視されたとしたらむかつくわけで*3、女性がむかつくのも当然でしょう。なので、http://d.hatena.ne.jp/hoshimin/20070203#1170502598 で、柳沢大臣は頭が悪い、大臣辞めたら?と書きました。
しかし、総体としての人は機械であっても問題ありません。人間が機械であろうとなかろうと、別に僕らが抱える問題が軽くなるわけでも重くなるわけでもありませんし、人間のすばらしさ、ばかばかしさが変わるわけでもありません。人間が機械なら、人間の価値が貶められるように感じるのなら、その人にとっての人間の価値なんてその程度のものです。

*1:もしくは、そうとられても仕方ない発言をしたこと、かな。

*2:梶村さんの文章にあるような話は、ここでは考えない。欧米での「機械」の受け取られ方は日本とはまた違ったものがあるように感じるので、よその国の事情を考えても話がわけわからなくなるだけだと思うから。

*3:種馬扱いされても、わずかな間であるなら、そして、きれーなお姉ちゃんと助平させてくれるなら、それでもかまわないやって人は結構いそうですが、長い時間、そんな扱いをされたら、心がきしむでしょう。