ウェットでナイーブな視線
http://d.hatena.ne.jp/nogamin/20070202/1170421693
ここで紹介されている森岡正博『感じない男』(ちくま新書)を買ってみました。
極度にナイーブな人による、自己の性癖分析。
60ページほど読んだ感想は、そんな感じです。個人が自分の性癖についてあーだこーだ話しているものとしては面白いと言えますが、「私のことを語りたい」とか、「安易に男とはこうだと言いたくない」とか言いつつ、すぐに男全般の話になってしまいます。ものすごくナイーブな持論を男全般に広げるのは勘弁して欲しい。女性学のシンポジウムとかで講演したりしているそうなんですが、聴いた人たちが森岡正博さんの考えをまに受けないでくれることを強く願います。動物行動学なんかで、動物の性行動を極力ドライな目で観察するように、人間の性行動を、ドライな目で見てくれるといいのですけれども……。こうもウェットでナイーブというか、やたらと性行動に願望や夢をもって語るのは止めて欲しいっていうか……。まあ、そんなことを思います。ぼちぼちと感想を書いていきたいところです。
- 作者: 森岡正博
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/02/08
- メディア: 新書
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あと、もう一冊取り上げられているササキバラゴウ『〈美少女〉の現代史』も、かなりナイーブな本です。
追記
(2010/05/03)
kanose 繊細な問題である性意識について「お前の考えていることはナイーブだ」っていう切り捨てが暴力的だというのは自覚ないんだろうなー
という、ブックマークがついていた。確かに、そうだ。この手の話*1で無神経なことを言われると自分自身きついのに、他人にやるときは無自覚だ。どこまでをナイーブと思うかも人による。もちろん、そう思っても、上の感想の根底となる自分の考えは、上の文章を書いた時点より知識とか増えた今でも、そしてブックマークのコメントを見ても、変わってはいない。相手の言ってることを強く肯定する内容になることはなく、相手の考えを否定する内容はどうやっても含まれる。ただ、物言いを改めることはできるかな、とは思う*2。すぐにそういうの忘れて、きつい言葉使ってしまうから、物言いを変えるというのもなかなかに難しいことなのだけど……。