……俺たち性的少数派?

http://d.hatena.ne.jp/akiba630/20070618/1182170230

オタク、特に二次元萌えオタというのは、突き詰めてしまえば性的少数者であるとボクらは認識しています。なぜなら萌えが分からない多くの人からすれば、二次元に萌えるという感情を抱く事自体が不可解に思われるからです。特に最近は三次元での恋愛を諦め、もしくは自ら放棄し、二次元に没頭する人々も増えてきたわけですが、こうなると世間の基準からは明らかに少数派であると言えるでしょう。

オタクは少数派だというのにはうなずくけれども、性的少数派とは、言い過ぎじゃないでしょうか?

そういう少数性を中心に考えてみると"オタク"と"いわゆる性的少数者"は極めて近い存在であることが分かります。

少数であることだけを持って「"いわゆる性的少数者"は極めて近い」とは言えません。

これを機にオタクと性的少数者は仲良くなりたい!という野望があったりするわけです。

とあるのですが、僕は……無理でしょ?としか……。

異性愛の男性オタクについて考えてみます。2次元に欲情することは、たしかに一般的なものではなく少数派ですが、その根本となっている性的指向は、非オタクの異性愛男性となんら変わりません。同性愛をバカにすることも、非オタクの異性愛男性と同じ。たとえば、やまじゅんのホモ漫画の消費され方は、同性愛に対する理解じゃなくて、ネタとしてちゃかしてもてあそぶものです。僕は同性愛を理解できません。迫害する気はないけれども、擁護しようとも思わない*1という考え方です。なので、やまじゅんの漫画の消費され方に文句をいうつもりはありません。やらないかネタは僕もおもしろいので好きですしね。ああいうやまじゅんネタの消費され方は、レイザーラモンHGの消費され方とおなじく、同性愛を嘲笑するものです。女性が好むやおいネタが実際の男性同性愛からは大きく離れているように、異性愛男性オタクが好む百合ものも女性同性愛からは大きく離れています。たしか、女性同性愛者から、百合に対して批判している文章なんかもあったかと思います*2。我らオタクは消費するネタとして同性愛を利用するのは好きですけれども、本当の同性愛を受け入れる素地はないと考えます。"いわゆる性的少数者"がらみのネタの扱われ方はひどいものです。自分たちのオナニーの道具として利用しているだけです。もっとも、そのことの何が悪いと、僕なんかは言っちゃったりしそうですが、ただ、同性愛を理解しているというそぶりは見せたくないです。自分が楽しんでいるモノは、実際から大きく離れているという事だけ、考えるにとどめておこうかなと。
あと、上の人はショタスキーみたいですが、ショタスキー=同性愛オッケー、同性愛も理解できるというのじゃありません。上の人がどうかはわかりませんが、自分がみてきたものに対しての感想を書いてみます。世にある多くのショタは、女性の代替え品か、「女の子みたいにかわいかったら、女の子と仲良くなりやすいかもしれない」みたいな心情があらわれたものに見えます*3。ものほんの男の子にチンコ立って、できるならやってみたいっていう、ガチンコの人ってどれほどいるでしょう? 僕は、かわいい男の子キャラは好きですよ。ジェイデッカーの勇太くんは良かったねえとか、ガオガイガーの護くんと戒道くんは……とか、電童の北斗とスバル*4は……とか、ヤマトタケルのロカは……とか、色々好きなキャラはいます。けれども、じゃあ、目の前に実際にそんな感じの男の子がいて助平できるチャンスがあるとして、本当にできるかっていうと「そりゃ無理だ」です。想像のカマキリと戦えるバキほどじゃありませんが、脳内で色々シミュレーションしてみました。無理でした。自分と同じもんついてるやつとは、やれねえ、たたねえ……と。これは僕個人の話にすぎませんが、絵空事のなかでの話と、現実の話は大きく離れていて、ショタスキーでも絵空事のなかでの楽しみがいいのであって、ガチの人って滅多におらんのじゃないでしょうか? きちんと調べたわけじゃなく、単なる印象ではありますが。
とまれ、異性愛男性オタクは、非オタク異性愛男性と、性欲のうわっつらの部分での表れがちがうだけで、根本のところでは変わりません。多数派の中での少数派であるにすぎません。異性愛男性という多数派に含まれない、同性愛男性という少数派に対しては、多数派としてちゃかしたり、あざ笑ったりしています。多数派の一員であることのありがたみは十分に享受しています。そういう実態を見ずに、性的少数者と仲良くなりたいといったところで、何か意味があるとは思えません。
性的少数派をさんざんわらいものにしてる僕らが、性的少数派と仲良く?とか、思ってしまいました。うちらのなかにある偏見とか、一個一個、丹念に見つけていって、なくせないかもしれないけれども、ちっとでも穏当なものにしていって、その上で仲良く……というなら、わかるんですが、ちょっとそういう話じゃありません。
なお、ここで異性愛男性のオタクについて考えましたが、男性女性にかぎらず、同性愛のオタクは元々少数派で、そしてそれはオタクであるなしには関わりないものです。異性愛女性にかんしては、あまり女性の事情は僕にはわからんので考えませんでした。もっとも、異性愛女性のオタクの一部が好むやおいも、同性愛男性から「やおいとは、ホモを好む女性がホモを描いた物語であるにもかかわらず、その正体はホモフォビアすなわちホモ嫌悪の物語だというのです。」と強烈な批判をうけたことがあって、それはたぶん正しくいと思うので、異性愛女性のオタクの同性愛の消費のしかたも、異性愛男性のオタクと変わらず、ひどいものだと思いますが*5
最後に、消費の仕方がひどいと、僕はなんども書きましたが、そのことで人に、したり顔で、そういう消費の仕方をやめろという気はありませんし、僕自身やめたりしません。ただ、少数派に属する人を理解できるかのような、しているかのような物言いをするのは止めようよ、ぐらいは言いますが。当事者じゃない俺らにはわからんよ、としか。

*1:愛情の1ヴァリエーションとしてあると思っていますから、同性愛は異常だという声には、別に異常じゃないよとはいうこともあるかと思いますが、「同性愛こそ真の愛だ」みたいな考えを述べる人には(たまに見かけます)「寝言は寝て言え」ということもあるかもしれません。

*2:http://d.hatena.ne.jp/hoshimin/20070105#1168011210

*3:そういうタイプのお話、多いです。

*4:すまん。銀河。でも、銀河は好ましいけれども、あんまかわいくはない……。

*5:やおいも、男性同士の恋愛が書かれているから、楽しんでいる男性同性愛者もいるという話なので、みながみな嫌っているわけじゃないようです。