自然崇拝

[名も無き空の途中で: 常温核融合は独立党が、やる]
自然を神として祭り上げるのが好きな人はいるものだ。
自然って、そんなにいいものとは思えないのだけれどもね。
われら人間が持つ、どうしようもなく暗い部分だって「自然」だもの*1
なんというのか、われわれ人間は、人間以外の自然から、自分たちが飛び出てしまった存在のような錯覚に陥っていることが多いように思う。
われらの営為は、すべて自然の一部だ。
すばらしいこと、ろくでもないこと。どっちもあふれている*2
どうして自然なんてものをあがめられるのだろう。
上の人が嫌っているユダヤ云々とて、自然の一部だよ? ユダヤ陰謀論にくみする気はわずかもないから、単なる仮定の話だけれども、実際にそういう悪党がいるとして、じゃあ、彼ら悪党が自分の欲を実現しようとするのは、なんなのか?
それは自然な欲求だ。
生きるために欲するだけのこと。
まあ、欲する量がちっと大きすぎるかもしれんけど、自然のなかに欲にまったをかけるものはない*3
生きるために、多くを欲すること、それ自体は善でも悪でもない。
人間ふくめ、生命体が持っている本当に自然な欲求だ。
ただ、多くを求めると他者とのバッティングの可能性が高まり*4、バッティングすると、力をもったものは我が意を通すために往々にして無茶をする。無茶の被害を被る存在にとってろくでもないことになる。
善悪は個体間の関係性のなかにあるだけで、自然そのもののなかに絶対の正義も、そして悪もない。
自然を祭り上げているのを見るだけで、その人たちの主張は薄っぺらく感じる。

*1:強調のために括弧に入れたけど、強調以外の特別な意味をこめて書いてはいない。

*2:すばらしい、ろくでもないは、ともにわれら人間の価値観に過ぎないが、あまり細かいことは言わないでおく。

*3:すべての欲求を満たすほどに、自然界は豊かではないって意味ではまったをかけているかもしれんけど、それはまた別の観点での話だ。

*4:他者とバッティングしなければ、誰からも非難されることはないわけだ。まあ、限られたリソースを奪い合うこの世の中で、欲深いものが他者とバッティングしないなんて、まずないだろうけど。