共産主義、未だ命脈絶えず?
[AML 2047] 【写真で見る】つくる会教科書
(id:claw:20050623#p1 より)
「秋田ピースマガジン実行委員会」の人が、AMLに投稿したもののようですね。
神話が本当のことのように書かれている。戦前の天皇制を呼び出そうとしている。
http://www.geocities.jp/peacemag2004/sinwa.JPG
http://www.geocities.jp/peacemag2004/sinwa2.JPG
http://www.geocities.jp/peacemag2004/sinwa3.JPG
伝承とちきんと書いているような……。
歴史勉強するのに、自分らの神話についてほとんど知らないというのもどうかと思いますから、神話が真実だというアホなことさえ書かなければ、神話について教えるのは何も悪くないと思うんですけれどもね。昔の人たちの考え方とか、いろいろぶち込まれた物語なわけですし。ただまあ、日本神話はいろいろとエロエロなので、おガキさまに教えるのはふさわしくないかもしれませんネ。僕はガキのころなんぼか読んで、どこか助平な雰囲気がすごく好きでしたけれども。今は、ああいう話が建国神話として通じる、つまりはご先祖様たちも助平な話が好きだったのだと、昔の人たちに強く親近感を覚えます*1。
ネルーの引用をして日露戦争を正当化する「つくる会」
http://www.geocities.jp/peacemag2004/nerunogizou.JPGところがこれは帝国書院に載っているネルーの言葉。扶桑社の引用と逆の結論に
なっている!
http://www.geocities.jp/peacemag2004/neru.JPG
なんかは確か帝国書院の教科書のが正しかったような記憶が。
あまり歴史に詳しくない自分でも結構いい突っ込みじゃないのかなと思えるところは結構あります。もっと歴史に詳しい人には、そんな突っ込みじゃ甘いとか、そこに突っ込むのはちと違うぞとかあるかもしれません。
@帝国書院の教科書の記述
http://www.geocities.jp/peacemag2004/houdoutousei.JPG
http://www.geocities.jp/peacemag2004/senzensakubun.JPG
http://www.geocities.jp/peacemag2004/kagai1.JPG
http://www.geocities.jp/peacemag2004/kagai2.JPG
(↑ずいぶん減ってしまっているが、扶桑社に比べればはるかに加害の記述がある)
帝国書院の4番目、「侵略」と「進出」の騒動は、朝日新聞の誤報から始まったものじゃありませんでしたっけ?
などなど、いろいろ見ていくとなるほどと思うところや、おいおいと思うところいろいろとあります。自分の勉強のネタにさせていただこうかと思います。
ただ、以下のくだりだけは、どうしようもない。共産主義への熱い想いが溢れていて、もう、ご勘弁願えませんかという気分になりました。
@共産主義のあからさまな否定
「二つの全体主義」などといってまったく異質なファシズムと共産主義を並べ
る。天皇制が一番いい制度だといいながら。。。
http://www.geocities.jp/peacemag2004/hankyousann.JPG日本のやった戦争の悲惨さは隠しながら、ソ連の悪行を強調。
http://www.geocities.jp/peacemag2004/hankyou2.JPGロシア革命に日本が干渉したシベリア出兵も居直る。
http://www.geocities.jp/peacemag2004/siberiasyupei.JPG「共産主義陣営の崩壊によって、約70年間の共産主義の歴史の実験は決着を見
た。この体制は人々に豊かで安定した暮らしを保障することができず、言論の自
由など政治的権利を保障することもできないことが明らかとなった」
http://www.geocities.jp/peacemag2004/hankyou3.JPG
最後の、『「つくる会」は再び始まった戦争の時代に、ロシア革命のように労働者民衆が立ち上がることを恐れているよう。』は「共産主義陣営の崩壊によって――」にかかるのでしょうか? 共産主義という実験が失敗したのは間違いではありませんし、共産主義なんて考えが無くても、戦かわにゃしゃあない状況に追い込まれたなら多くの人は立ち上がるでしょう。自分自身はそういう状況におちいったとき、どういう行動をとるか、想像がちとつきません。やぶれかぶれになるか、ちっとはましなことをしようとするか……。いろいろ考えはしますが、やはりそのときにならないとわかりません。もっとも、自分としては自分、家族、友人、知人の生活がそこまで追いつめられないといいなと思います。が、今のご時世どうなるか、まったくわかりませんね……。それはおいといて、共産主義という考えが無ければ立ち上がれないなんて、そんな馬鹿な話がありますかね。
それ以上に脱力ものなのが、ファシズムと共産主義を単純に別物としているところ。ファシズムと共産主義は上っ面は確かに違いますが、根底に流れるおごった正義といかれたユートピア思想は同じものです。ナチスが取り入れた、遺伝決定論から生まれたまちがった人間観。共産主義が取り入れた、社会構築論から生まれたまちがった人間観*2。依拠する論は違っても、間違った人間観を元に自分たちのユートピアを築こうとした狂った正義という点では同じものです。ともに正義、異論を許さない全体主義となるのは必然です。結果、多くの人が苦しみました、苦しんでいます。左の思想も右の思想も、しょせん同じ人間のやることです。依って立つ理論、重んじる物語は違っても、行き着く先は同じもの。「新しい歴史教科書」をきちんと読んではいませんし、「つくる会」にとって「こうであって欲しい」と思うことをいくつも書いているだろうなとは容易に想像できますが*3、ファシズムと共産主義の根っこは同じだと書いた点に関しては強く支持します*4。
「新しい歴史教科書」がファシズムと共産主義の根っこは同じだと書いた話は、上で見るよりも先に、メールマガジン「国際派時事コラム「商社マンに技あり!」」の「昭和天皇のご下問」の後記で知りました。以下に抜粋します。
扶桑社の中学校用教科書『新しい歴史教科書』が、また韓国と中国の政府・マスコミから叩かれている。
どんな教科書なのだろう。
まあ、ご覧ください。至極オーソドックスな教科書なのです。
議論のあるポイントは、ちゃんと両論併記を行っています。
このサイトで読みどころがバッチリ読めます↓。
http://www.tsukurukai.com/05_rekisi_text/rekisitext_index.html
韓国・中国をうまく動員したのは、例によって日本の運動家たちなのだけど、いったい日本の運動家たちの狙いは何か。
彼らにとって、どうにも我慢がならなかったのが、じつはこの教科書の第63項「共産主義とファシズムの台頭」というところなのでしょう。
共産主義とファシズムが、同じ穴のムジナだということを、淡々と論ずるこの一文ほど、運動家たちが恐れるものはありません。
正面から反駁(はんばく)できないものだから、韓国と中国の威を借りて封じ込もうとしているのです。
動員された韓国・中国の関係者こそ、いい迷惑でしょうなぁ。
時代の藻屑(もくず)みたいな日本人運動家に体(てい)よく動員されぬよう、 韓国人・中国人諸氏も もっと教養を積まれては いかがでしょうか。
(改行のみ、適宜編集して引用した)
「秋田ピースマガジン実行委員会」の方の投稿から、「国際派時事コラム「商社マンに技あり!」」の泉幸男さんが書いてらっしゃる事と同じものが透けて見えます。面白いぐらいに。……いえ、怖いぐらいに。
投稿者の文章にこもる強固かつ頑迷な「正義」が、うすらざむく、恐ろしいです。