漫画「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」前編

id:hoshimin:20041230#1104424667に書いた週刊少年マガジンでの元アメリ海兵隊員アレン・ネルソン氏の漫画を読みました.
冒頭,MMRの粗悪なコピーにしか見えないのはおいといて,会ったこともない恨みも無い人間を何故殺せるのか,差別が根底にあるのではないか?などとあります.その相手には,確かに恨みは無いでしょう.ですが,かわりに恩もありません.自分の命がかかってくれば殺そうとするんじゃないでしょうか? それに幾ばくかの金のために,いきなり見ず知らずの他人に撃たれても不思議じゃない国もありますし,少し前のメキシコでは,五月蠅いから,目があったからという理由で人を撃ち,ちょっと煽られれば簡単に自殺するなんてことが日常起こっていたそうです.人が人を殺すことについて,差別だのなんだのと大仰なものをいきなり持ち出すのはどうなのかと,そんなことを考えます.先人たちが人を殺すことを禁忌とする考えを発展させてきたから,人殺しが少なくなって,その恩恵を僕らは受けているのだと思いますが,その考え方だけで物事を見る人たちが漫画を作っているからか,人を殺すとはどういうことなのかというところが非常に薄っぺらく感じます.もうちょっと人殺しってのは何なのか,きちんと考えている漫画家や編集者を使って作品を作って欲しかった.
なお,上の感想は漫画を読んでのものであって,元となったネルソン氏の体験そのものに対してのものではありません.ネルソン氏の著書は今のところ読んでいませんから,読めば感想は違うものになると思います.
前編で結構どうでも良くなったので,後編は,漫画としてよほど出来が良い,もしくは悪いというのでなかったら感想は書かないと思います.