高貴な野蛮人#2

id:ghoma:20050528

世界中に、自然と共存しながら生き続けてきた土着民族がたくさんあるわけです。石器時代と変わらない生活を、動物のようだとか低脳だとか、我々より低い(!)などと決め付けた科学マンセー時代があったわけですけども、彼らは地球を追い詰めたりはしないわけで。

僕は自然と共存する人たちが劣っているとは思いませんが、優れているとも思いません。地球を追いつめていない人たちは、地球を追いつめる方法を知らないだけの話です。人間の基本的な部分は、どんな民族も変わりません。自分たちよりも便利な道具を持っていたり、良さそうな生活をしていたりする相手をまねようとし、古い生活スタイルを捨てるなんていうのはざらにあることです。
それに先進国でも、今のままじゃやばいとカウンターとなる考え方、動きが出てきています。スローライフとか、大企業がものを安く買いたたいて仕入れることで子供の奴隷労働が発生するのを、仕入れ値を上げさせることで解消しようとか*1色々と。まあ、無茶な行いとそのカウンターが「無茶な行い>>カウンター」といった感じで、なかなか明るい未来は考えられませんが……。

彼らは私たちが死なないですむような病気や怪我で死んだりもするでしょうけども、生殖においてある種の神話や伝承を持っていて、それが人口管理のルールになっているんです。人口爆発で食料を食いつぶしたりしないのです。野生の人間だから、ヤるだけヤって産むだけ産んで、でも医療がないから死ぬんだろうというのは間違いです。

人口管理のルールになる神話や伝承ってどんなものなのでしょうか?
未発達な医療、不安定な食料事情などなどから、子供が多く死ぬのは事実です。そして人殺しを回避する考え(人権なども含まれる)が発明されていなければ、人の命は軽い。足手まといを切り捨てることは何も不思議じゃなく、戦争で敵を殺す事は讃えられこそすれども、咎められることはありません。そして、ひとたび部族間の戦争が起こったときの総人口に対する死者の数はすさまじいものがあります*2
多く産まれて、多く死ぬ。何も間違っていません。

*1:奴隷解放チョコレート─子供たちの血と汗と涙が入ってます

*2:id:hoshimin:20050420#1114003958 でもそんなことを書きました。