高橋哲哉 首相の「靖国」参拝 ─ 何が「問題」か

戦争に負けたとき、「僕はあんな戦いには反対だったんです。あなたがたと戦う気なんて無かったんです」と勝者にすりよっていくのは、人として実に自然なことです。自分が生きなければいけませんから。僕も敗戦を経験していたら、戦争に行った人、つまりは「勝者となった連中と戦い、連中を苦しめ殺してきた人」を責めまくったかも知れません。自分が勝者に良い子ちゃんだと思ってもらうために。


首相の「靖国」参拝 ─ 何が「問題」か
上の文章を読んで思うのは、そういうことです。そんなに、中国や韓国の言い分に理解を示して、認めてもらいたいのですか?と。まあ、韓国はうちら日本と一緒にガンホーガンホーやってたわけで戦勝国じゃありませんが、韓国に対してはひどいことをして悪かったというと良い子ちゃんになれます。実に人間的で自然な態度ですが……、たいがいにしてくれとも思います。


それにしても、政教分離を杓子定規に語るのはデフォなんでしょうか? 政教分離がらみの話で良く思い出すのは、次のページ。
http://www.f5.dion.ne.jp/~t-izumi/religio.htm
サイト制作者の泉幸男さんはカトリックの信者で、一部のカトリック教会の神父たちのおかしな発言に苦言を呈しています。
全編読み応えがあるんですが、

 この協議会、日本国憲法墨守がよほどお好きのようだが、その第89条に定めがある。
≪公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。≫

 今日ただいまの状況を言えば、この憲法規定をゆるく解釈して、キリスト教系の学校にも公的補助金が出されている。宗教教育を行う学校に対して、公金が提供されているのだ。
 それもこれも、児童・生徒に良かれと思えばこそだ。

あたりのことを、政教分離をあまりに杓子定規に解釈して声高に唱える人たちはどう思うのでしょうかね。また、泉幸男さんは西暦、つまりはキリスト歴について触れているのですが、キリスト歴使っているのには文句言わないんでしょうか?

まあでも、

天皇はこの国を生んだ神アマテラスの子孫であり、神武天皇以来一筋の血筋でつながっているという神話、天皇崇拝と神社神道が一体化した「国家神道」の思想が、天皇統治権者である根拠とされていたのだ。

なんて記述があります。国を生んだ神は伊弉諾尊イザナギノミコト)、伊弉冉尊イザナミノミコト)です。天照大神伊弉諾尊から高天原の全権を譲り受けた高天原最上位の神ですが、国は生んでいません。自分たちの神話に何の価値も認めていないから、こんな単純なミスをするのだと思います。宗教に対しても同様に価値を認めないのでしょう*1。だから、杓子定規にしか解釈しない。そんな風に考えてしまいます。

*1:宗教に対して、僕は色々と複雑な想いがあって、認める部分と認めたくない部分とがあります。口を開けば文句もぼろぼろ出てきます。けれども、やはり大事なものだとも思うのです。自然科学を愛する科学の子(できはわるいけど)なんですけれども、それだけではなかなか人間生きていけんよねと。