人工的な集落

[CNN.co.jp : 中絶も避妊もない「カトリックの町」 構想に賛否両論 ? - USA]
http://d.hatena.ne.jp/./kmizusawa/20060313/p2http://d.hatena.ne.jp/./chidarinn/20060313/p1http://d.hatena.ne.jp/./seijotcp/20060312 より)
無茶苦茶や……。僕はちょっとずつ(漸進的に)世の中よくしていこうっていう考え方、やり方を支持しますんで、こういう人工的なもんは嫌いです。
今ある社会を否定して、自分の望む人工的な集落を作るって言うのは保守革新を問わず魅力的なものなのでしょうが……。
この手の人工的な集落作りって言うのは左派だとイスラエルキブツのようなものになるんでしょうが、あれも最初の理念を捨てたそうで*1、穏やかな形ではありますが失敗しました。あまりに人工的な集落って言うのは住む人に相当な犠牲を強いると思うんですよね。その犠牲に酔える人は良いですが……。しかも、その集落の外にいくと価値観が通用しなかったりするでしょうから、外では暮らせない。恐ろしい。まあ、やりたい人(大人)がそういうのをやるのはいいと思うんですよ。自分の人生、他人に大きな損害を与えない限り好きに使えば良いのですから。もっとも、人間建前と本音ってのがあって、うまく使い分けて生活していると思うわけで、記事中の街が出来たとしたら、宗教に関わる建前と本音の使い分けを極度に禁止されることになるのではと想像します。そういう状況では健康的な生活は営めないと思うのですよね……。口ではウツクシイことをいって、やることは全然違うってのが世の多くの人がやる(俺もやる)健康的な生活ですから、そういうのできなくなるとつらいとおもうのです。
まあ、実際にどのように運用されるのかわかりませんから、これ以上は考えないことにします。でも、あまりしんどいことはしない方がいいですよ、と思います。適度にだらだら生きるのが楽でいいんでは? なかなかそういう生き方許されませんが……。とほほ……。

*1:僕がキブツネタを見たのはスティーブン・ピンカー「人間の本性を考える」、マット・リドレー「柔らかな遺伝子」、リー・ドガトキン「吸血コウモリは恩を忘れない」あたり。他にもあったけれども思い出せない……。先に書いた3冊のうち最後のものはキブツの初期の話のみ書いて、路線変更した話は書いていません。動物行動学の研究結果をちょっと道徳的倫理的にとらえすぎている本だからかも。