遙洋子「東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ」
たまに見に行くblogにて、「東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ」にジェンダーは意味が無いものだとあった云々といったことが書いてあったので、んな馬鹿なと思って読んでみた。ジェンダーとセックスについて書いているところには、ジュディス・バトラー「ジェンダートラブル」から「セックスはつねにすでにジェンダーなのだ」云々が引用されていました*1。結局、セックスって概念より、ジェンダーって概念のが大事なのよ〜みたいな話で、そこのblog主さんの勘違いだなと思いました。なお、そこの人も後でおかしいと思ったのか、誰かが突っ込み入れたのか、該当ページは消えています。
著書全体の感想。学問に輝きを見て、その輝きに目がくらんだ人の書いた本です。学問は素晴らしいものですが道具の一つです。人間一つの道具にだけこだわると他がそげ落ちます。他を知らないかたわになります*2。ちょっと話はそれますが、人を使う立場にある人が、自分の職種で行うマネジメントの方法(これも道具といえます)が、その適用範囲を超えた一般社会でも通用すると勘違いして、馬鹿なことをいってくれたりするんですが*3、道具は適用範囲を超えて使おうとするとおかしなことになります*4。遙洋子さんが著書の中で紹介している上野千鶴子さんの言葉にもそういう臭いがするものがありますが*5、遙洋子さんはそれに全然気づかずに上野千鶴子さんを仰ぎ見るばかり。学問、そして上野千鶴子さんにすっかり参ってしまっています。学問は素晴らしいものですけれども、そこまで頭を垂れる必要はないんじゃないのって感じです。
- 作者: 遙洋子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2000/01
- メディア: 単行本
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