得られるものがあるからやるのです

倫理と道徳というフィルターを通して見た「自然」のサンプル。
[BigBang: 仔猫殺しに思う----自らの両手を血に染めて得られるものなどない]

生き物が他の生をなぜ絶ってはいけないのか。その本当の理由は、おそらく生態系の必然にある。つまり、捕食を除いて、他の生き物の生をコントロールすることは、元来この世界は許されていない。

そんなバカな……。補色以外の殺しなんて自然界にはいくらでもあります。同族殺しまであります。生態系というものをどうとらえているんでしょうか? というか、人も生態系の一部です。僕ら人のやることを見れば、生態系が許していないなどということは言えないはずです。

誰も自らの両手を血に染めて得られるものなどないのである。

ありますよ。あるから(あると思えるから)他者を殺すのです。得るものと失うもの、他者を殺す前に、それで得られるだろうものをたいがい多く見積もってしまい*1、他者を殺したあとで、正になるはずだった総計が負となることは多いことでしょう。けれども、すべて結果が負となるわけじゃない。人間含めあらゆる動物は、何も得られないことがないと明確にわかっているなら、そんな行為なぞ、まず、しません。そういうものだと思います。

*1:殺しに限らず、自分の行為の成果を多く見積もるのはよくあることです。