対価

この世のあらゆるものに値札が付けられて、狩猟採集生活の社会だろうと資本主義社会だろうと共産主義社会だろうと、それは変わらない(ものをやりとりするさいに使うものが貨幣になるか、他のものになるかとかは違うだろうけれども)。そして、値札の付いていないものには、いくら払えばいいかわからない。

[飯島愛「簡単にHを許しちゃダメ」 - 芸能ニュース : nikkansports.com]

さらにはリスナーの恋愛相談などに応じた。彼氏に振り回される女性には「簡単にHを許しちゃダメ。デートでのワインやレストランのランクがすぐに下がっちゃうよ」と独特の表現でアドバイス

飯島愛さん、身も蓋もないお話で。こういう身も蓋もない話をする人は好きです。山本夏彦さんも言葉は違えど似たことを仰ってましたな。

 ―― 戦前は芸娼妓がいたから、素人には手を出さないって不文律があったと聞きました。なぜですか。
 山本 素人に手を出すのはケチだからだ、女は買うものだという今は思いもよらない考えからだ。お侍の娘は箱入りでポーカーフェイスをしていたから、本気にする若者がいた。頭のなかは男のことばっかりなのに。
 ―― それは明治末までですね。恋愛至上主義の相手は素人ですね。素人はタダで玄人はお金がかかります。なるほど。
 山本 それは間違いです。男は素人だったら歓心を買うために玄人より金を使う、定価がないんだからね。執心次第だよ。九鬼周遊は「『いき』の構造」のなかに「灼熱の恋は野暮なり」って名言を叶いている。なが続きしないからね。なが続きさせるには共に死ぬよりほかない。クライマックスは死だよ。

山本夏彦, 「男女の仲」, p299.