本当の自分

[カウンセリングサービス■心理学講座「『仮面(ペルソナ)』の人生」]
上で『ある人は「ときどき、どれが本当の自分なのかがわからない」と言います。』みたいなことが書かれ、『これを心理学用語では「仮面(ペルソナ)」といいます。周りの人向けに作った別の自分です。』とか書かれているわけだけれども……。
最近、ばかばかしいと思うようになった。
「周りの人向けに作った別の自分」って何だ、そりゃって感じ。
人間、別の自分なんて作れやしない。
ただ、他人との関わりのなかで、こう振る舞うと不利かな有利かなという計算があって、そこから振る舞いを変えるに過ぎない。他人に何の配慮もせず生きている人は、楽だろうけれども、あまり他人から信頼されないし、他人に何もしてあげないから、自分も何もしてもらえない。人間関係密にしておかないと生きていかれない状況だと、生きていけんかもしれん。そういうのは嫌だから、他人ごとに心を砕いたり、人間関係悪くしないようにするために神経使う。振る舞いを変えていく。自分のためで、そして、すべて、その人そのものだ。本当の自分から発したものだ。
どこに本当の自分がないんだ?
無理しないと続かない振る舞いっていうのは、振る舞うための実行力がないだけ。たとえば、ずぼらな性分の人が、きまじめな振る舞いをしようとしても、実行能力が足りない。そういうのは失敗する。筋肉が全然ない人では100kgのバーベルを持ち上げられないのと同じ*1。生活のなか、どういう振る舞いをするというのは、死ぬまでおわらないマラソンだ。だから、実行力がある人でも負荷のかかる振る舞いを続ければしんどい。疲れがたまればいずれ折れてしまうかもしれない。
死ぬまで終わらないマラソン、もっとゆっくり走ったら楽だよと言ってあげるのは良いと思うけれども、本当の自分などという嘘くさい言葉は勘弁して欲しいと思う。
つか、こういうの見るたびに心理学ってうさんくせーなあと思う。

*1:上のカウンセリングの中にも、似たようなことが書かれているな。