進化は無目的で場当たりなもの

漫画とかで進化ってのはよくネタになる。
でも、たいがいその手の進化って目的がある。
ある環境を生き抜くため。
ある存在と闘い勝つため。
何かの目的に向かって進化している。
でも進化論が説明する静物の進化は、実のところ、そういう話じゃなくて、ある環境にたまたま適応できる性質をもっていた個体が生き残って子孫を残すことで、その性質が強化されていくってものだ。ただただ場当たり的なもので、まったく目的もくそもない*1
人間という動物種が他の動物より複雑な行動がとれる知能をもったのも、たまたま、それが生存に有利に働いたからで、知能を持つべくして持ったわけじゃない。
そんな風に考え出すと、あんまり物語のネタに使えないから、なんちゃって進化論で良いのかもしれない。
そういや、最近、『魔人探偵脳噛ネウロ』でシックスって連中が出てきた。定向進化うんぬんいってたけれども、あれなんかは人間が自分たちに都合がいいように家畜の品種改良を行っていったと同じことを、人間自体にやったもので、定向進化とかそういうものじゃないと思ったよ。
つか、定向進化って知らなかったよ。進化論がらみではメジャーなトピックじゃないみたいだけれども不勉強だな、俺。んで、定向進化を、ちっと調べてみたら、[忘却からの帰還: 定向進化というアンチダーウィニズム]という記事が見つかった。目的のある進化って、たしかにダーウィンの進化論とぶつかるわな。
ただ、品種改良も、人間の操作やら望みやらさまざまなものを含んだ環境に適したものが残るので、進化は進化か。そういうかたちならなんちゃって進化論にならないかな。

人類の進化は神への長い道! 貴様ら邪悪な宇宙、おぞましき空間に立ち向かえる唯一の戦法なのだ! たとえどのように時がかかろうとも…私達はやり遂げねばならぬ…
石川賢虚無戦記

も品種改良というかたちの進化かな。環境を用意したのは、ラ・グースと戦っている連中と。

*1:こういうものだから、進化論って動物というか人間という種のなかに倫理を求めたい人には不人気なのだよね。猿の親戚って話がすかんのもあるかもしれんけど、そこから、もうちょっとだけ深く見ると、人間という種そのものには善も悪もないっていう話になる。