気になった本

ノーマン・G.フィンケルスタイン(著), 立木 勝(訳), 「ホロコースト産業―同胞の苦しみを「売り物」にするユダヤ人エリートたち」, 三交社, ASIN:4879191582, 2004/12.


書評や紹介.
『ホロコースト産業』(フィンケルシュタイン)邦訳が出ます はちまき伍長
一部哲学的な内容があるのでしょうか? 哲学書なんかを横に置いて読んだ人もいるようです.あと,ホロコーストはなかったとか,小泉レイプ訴訟などで「一部の人に」有名な木村愛二さんがフォロー記事を書いてますね.この人が書いていると,なんか,いきなりうさんくさくなりますね.(笑)


Staff Note : パレスチナに関係があるのかないのか、二冊の本:パレスチナ情報センター
パレスチナ問題に関わっている人の書評です.冷静な書き方が好印象,この手の問題に暗いので書評を読むだけでもためになります.

まず最初にありうる誤解を避けるために言っておきたいのですが、著者は決してガス室否定論者などではありません。ホロコーストの記憶や歴史が政治経済的な駆け引きの道具として利用されることだけを問題にしているのです。

ともかくも、批判されたアメリカのユダヤ人利権集団は著者を「ガス室否定論者」とレッテル貼りをし、反対に本当の否定論者からはそのレッテルによって誤解を受けて妙な歓迎をされてしまっているという、悲しむべき事態があるようですが、著者本人の主張はそういうこととはまったく無縁なところにある、ということは確認しておきたいと思います。

利権団体にとって,レッテル貼りは基本のようですね…….

 なお、著者フィンケルシュタインの主眼は、むしろアメリカのユダヤ人団体が利益集団・圧力集団として凶暴化していき、本当の直接的なホロコーストの犠牲者や遺族をダシにして暴利を貪っていく、そのプロセスの分析のほうに置かれますので、パレスチナ問題はそれほど焦点とはなっていません。

救済が必要な人を出汁に,利権屋大はりきり…….なんか日本国内においても,いくつもの団体名が頭の中に浮かびます…….


P-navi info : 何でも反ユダヤ主義──世界ユダヤ人会議のキャンペーン
上のページからたどれる書評です.こちらも面白いです.


かなり価値のある本のようです.いつ読むかはわからないけれども,大きな出版社から出ていないから,すぐに絶版になってしまいそうなので*1,見つけたら買っておこうかと思います.

*1:大きな出版社でも,最近だとよほど売れないと,すぐに絶版になるか…….