一を以て全を語る

旗旗:「ちゆ12歳」と右傾化
一を以て全を語るわけですか?
僕が働いている会社は大学ヴェンチャーでして、まわりに学生いっぱいおるわけです。んで、情報科ですから、コンピューターやらネットやらが好きなのが多く、数年前ちゆ12歳侍魂が大人気だったころは、多くの学生がちゆ12歳やらのネタを共有して楽しんでました。先行者やトマク・ネタにはみな大笑いしていました。ですが、そこで終わりです。それ以上中国がどうだとか、韓国がどうだとかいうのはいませんでした。韓国製オンラインゲーム"Ragnarok Online"を楽しんでいたり、中国の三国志を題材にしたゲームを楽しんでいたり、韓国や中国を毛嫌いするようなのはいませんでした。自分自身、侍魂ちゆ12歳のネタは好きでしたが、ただの面白いオタクネタ以上には感じませんでした。自分は韓国がつけてくるいちゃもんとかは好かんのですが、その手のいいがかりに強く嫌悪感を抱くようになったのは日韓ワールドカップでのアンフェアな振る舞いをさんざん目にしてからです。とまれ、ちゆ12歳侍魂で右傾化しなかったサンプル数はこっちが多いですから、ちゆ12歳では右傾化はしないってことですかね。
……当然、違いますよね。上のページで挙げられているのは単なるサンプルの一つ、僕が書いたのも同じ。どちらも、単なる例外にすぎないかもしれません。かなり広く調査しなければ傾向なんてわかりません。一つの例を紹介して、こういうこともありますというのは何も悪くないんですが、それが全てのように書くのは間違いです。そしてそこから多くの結論を導き出すなんていうのも。
とはいえ、そういう一を以て全を語るって言うのは昔から繰り返されてきて、科学者ですら自分の理想に近ければ、単なる例外に過ぎないかもしれないものを、真理であると持てはやしてきました。マーガレット・ミード、フランツ・ボアズ、ジョン・マネーなどなどによって産み出され、今でも信奉者がいる神話のように*1。こんな文章書いている自分も同じ間違いをやってるだろうなとは思うんですが、僕らは先輩方の失敗から少しは学ばないといかんのじゃないかなと思います。と、最後は多分に自戒の意味を込めて……。

*1:ゴールトンが産み出した優生学も未だに信奉者がいるようですけれど、あちらの教義は一例から全体を語るという形で産み出されたものじゃないので、ここでは例として書いてません。