動物に夢見るユートピアン

ちったあチンパンジーを見習ったら

時たま聞かされる「チンパンジーの子殺し」なんか、16年間西アフリカ・ギニアのボッソウで野性チンパンジー(20人の群)の観察も続けている松沢さんは、25年の間一度も見たことがないという。

チンパンジーの子殺しを広く知らしめることになったジェーン・グドールもチンパンジー観察の最初の10年間ぐらいは子殺しを見なかったそうですから、そう頻繁にあることではないのでしょう。また、殺された子は食われてしまうこともあるようですから、死体が見つからなくて、たまたま見なかっただけかもしれません。それとも見ても見なかったことにしたか。

アフリカでゴリラの野外研究を手がける人類進化論の山極寿一(やまぎわじゅいち)京大助教授も、「殺戮(さつりく)しない類人猿」「500万年に及ぶ人類の進化史のなかで、戦争を是として暮らしたのはほんの最近の数万年か、数千年のことのようだ」と、朝日新聞(4/12夕刊)に書いている。

ゴリラも子殺しをしますね。そして、80万年前にいた人類の先祖の近縁種が殴りあったり、他者を解体して食っちまったりしていたと言います。500万年の進化史は闘争に彩られているとしか考えられませんけれどね。
動物に見習うべき部分も色々あるのかもしれませんが、見習っちゃあまずい部分も多くありますね。