些末な一致をもって、全体の一致を強弁する

この前の日記(http://d.hatena.ne.jp/hoshimin/20050721#1121958347)の話。


わずかな諺の一致から民族性がそっくりだとする発言を読んで、次の記事で紹介されていた話を思い出しました。


地獄の箴言: 「英語=日本語」説


上の記事では無茶なこじつけで漢字と英語とが同語源と言っている人*1を紹介して、おいおいと突っ込みを入れています。日本語と韓国語朝鮮語*2に対してこういうことを言う人がたまにいます。
日本語と琉球語が古い時代に枝分かれしたと認められているのとは違い、日本語と韓国語朝鮮語は、どちらかが他方の起源である、同根の言語である、といった説は認められていません。日韓朝の言語は、文法が似ていて翻訳プログラムが作りやすいそうですが、まあ、日本語や韓国語朝鮮語と文法が似ている言語は世界を広く見渡せば結構あるという話です*3。また同じ漢字圏ゆえ、似通った語彙も多いわけですが、それは外来語の部分で、根っこにある基本語彙は大きく異なります。
もちろん、いくらかは似ている部分*4は当然あるでしょう。これだけ近く影響し合っている国どうしなのですから。ただ、それをもって日本語と韓国語朝鮮語は同根の言語であると主張するのはあまりに無茶です。
なんで違うものを無理矢理に同じものだと言いたいのかよくわかりません。違うものは違うでいいと思うんですけれどもね。

*1:ネットから消えていますが、Web Archiveに少し残っています。kanntann

*2:現在の朝鮮半島の言語は、韓国の韓国語と北朝鮮朝鮮語で、少々語彙が違っているようなので、「韓国語」とか「朝鮮語」とまとめずに、ちょっと煩雑ですが「韓国語朝鮮語」と書きます。

*3:何で読んだっけ、この話……。

*4:もしくは、似ているとみなしたいもの……でしょうか?