『グラップラー刃牙』とセカイ系

http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20060702

セカイ系と言えば『新世紀エヴァンゲリオン』『ほしのこえ』『最終兵器彼女』などがこれに当たる。この手の物語には、社会やイデオロギーを介在せず、個人と世界とが直結してしまう。別の言い方をすれば、想像界が直接的に世界の破滅に結び付くのだ。社会の仕組みは複雑で猥雑だから、そういう部分を避けられるものならば避けて通りたいという若者の持つモラトリアム性がこの手の物語を嗜好させるのではないかと私は思う。

上のセカイ系の説明、たしかにそんな感じかなと思う。様々な手続きをすっとばしてセカイの中心に至れる物語がセカイ系ということなのかな。
そんな風に読むと大国の軍事力と対等のパワーを持ち、社会のさまざまな手続きなぞ何処吹く風で生きる怪物、範馬勇次郎やビスケット・オリバが出てくる『グラップラー刃牙』もセカイ系と言えるかも知れない。
セカイ系の小説の主人公や重要な登場人物は、なにがしかセカイを揺るがす大きな力を秘めているのだけれども、勇次郎の暴力はそれとタメをはるかもしれない。神秘性は何もない力ではあるけれども。