群れたい 仲間が欲しい

http://d.hatena.ne.jp/kazenotori/20061006/1160141129
布教活動は、もっと単純な理由からだと思う。あと、オタクを特別視する必要もないと思う。
人間は群れて色んなことをする動物で、群れが大きくなると心強い、群れが小さいと心細い。マイナーな趣味の人(うちらオタクはここに含まれる)とか、まわりに似たものがいない人、つまりは仲間がいない人は、仲間を作ろうとするっていうだけじゃないのかなと。
そして、麻生外務大臣が好かれるのは、上のような心理のバリエーションだと思う。同じ趣味を通じた仲間だという想い*1が好意を生む。加えて、同じ群れの仲間に力持った人がいると嬉しいから、さらに好意は強くなる。そんな風に考える。

あと3.に関しては、布教じゃなくて多数派に属しない己を守るためのものではないかと。少数派って、多数派に「なんで、そんなものが好きなの?」「なんで、あんたそんななの?」って言われる。多数派は同じこといわれても、ほとんど痛くも痒くもない。「数」は「力」で、「力」は「正しさ」だから*2。世の中、「おかしい」と断じられた人がどういう扱いを受けるかは、言わずもがな。多数派に「おかしい」と言われる少数派は、多数派の言葉に抗して、自分たちは「おかしくない」とプレゼンテーションしなくてはならない。そうしないと潰されるだけ。その一つが、「俺(たち)/私(たち)は、あんたたちみたいなもののわかっていない連中とは違う(=おかしいのは俺(たち)/私(たち)じゃなく、おまえたち)」ってもの。自分たちこそが「正しい」と色んな理屈をこねて、多数派の、数を背景にした「正しさ」にあらがっている。そういう自己弁護に似たものだと思う。

*1:もっとも、向こうさんに取ってみれば、こっち(われらオタク)は仲間でもなんでもないだろうし、仲間のように思うのは、こっちの錯覚に過ぎないわけだけれども……。まあ、そういう錯覚もうちらが抱える性《さが》というか……。オタクと麻生大臣の例に限らず、同好の士と見なした人に対して、すげー好意的になる人、仲間意識を持つ人って、そこら中に見られると思うのですよ……。

*2:そんなの正しさじゃないと言う方もいるでしょうね。理屈では確かにそうですが……。